1月30日の厚労省発表によれば、’17年12月時点の有効求人倍率が、1.59倍に達したという。バブル期のピークにあたる’90年7月の数値(1.46倍)を9か月連続で超えており、この勢いがやむ気配はなく、深刻な求人難が現在のビジネス界を覆っているのだ。同僚が次々と抜けていき、さりとて新人が入ってこない環境下で、残された労働者たちの負担は増す一方だ。悲鳴をこらえつつ今日も現場に出る彼らの、生の声に迫る。 東京オリンピックを控え、バブル期をも凌ごうかという建築ラッシュの陰で問題となっているのが、建設業界の人手不足だ。大手建設会社もさることながら、末端の家族経営規模の工務店、大工などは悲鳴を上げる暇さえないという。神奈川県で工務店を経営する吉田正克さん(仮名・46歳)は「このままだと人手不足に殺される」と嘆く。 「ここ数年、リノベーションした中古マンションが好調なんで、その手の仕事が4、5年くらい