【ウィーン=柳沢亨之】国際原子力機関(IAEA)の理事会で、核開発疑惑を抱えるイランが、「日本はトン単位でプルトニウムを保有している」と日本を公然と非難したことが分かった。 国連安保理による追加制裁に不満を抱き、日本に矛先を向けたとみられる。 発言は、イランのソルタニエIAEA担当大使が安保理決議の採択直前の9日に行った。日本の中根猛IAEA大使は、日本保有のプルトニウムは「全量が平和利用目的とIAEAが結論づけている」と述べ、反論した。 イランは最近、日本の原子力政策を「モデルにしたい」(イラン外交筋)として、要人を日本に相次いで派遣し、米欧で高まる追加制裁論の歯止め役として期待していた。