【温州(中国浙江省)=比嘉清太】中国の高速鉄道事故を受け、鉄道網が急ピッチで拡大し運行本数が増加する反面、列車の運行を担う人材育成が追いついていないとの指摘が出ている。 中国紙「新京報」は26日、北京の在来線の運転士が2008年、わずか10日間の訓練を受けただけで高速鉄道の運転士になった事例を紹介し、「訓練期間が短すぎるのではないか」と疑問を呈した。 中国の鉄道専門家によると、運転士は通常3年以上の訓練期間が必要とされるが、十分な訓練を受けないまま営業運転を担当するケースも多いという。また、運転士は毎月の労働時間が167時間と規定されているものの、交代要員の不足で200~300時間も勤務することもあるという。