(一般社団法人Springスタッフが2018年7月に撮影)「フリーズ(凍りつき)は、いたって普通の反応です」 これは、ロンドンのレイプクライシスセンター(性暴力の被害者支援センター)に掲示してあったポスターの文言だ。 襲われて恐怖に陥ったときに、人の脳は緊急ブレーキを発信し体の動きを止めることがある。フリーズ(もしくは凍りつき)と言われる反応だ。フリーズは、動物にも見られる擬死状態(死んだふり)の前段階。動いているものを狙う捕食者の前で擬死状態になることが、敵の目をくらまし生存につながると学習した結果と言われる。 不動状態、レイプ被害者の多くが経験 被害者支援に取り組む臨床心理士で、目白大学人間学部心理カウンセリング学科講師の齋藤梓さんによれば、フリーズの概念は心理学や被害者支援の現場では広く知られてきたこと。 「最近ではTonic immobility(擬死反応/強直性不動状態)という言