立っているだけでもじっとり汗がにじみ出てくるような暑さの中、ヤンゴン中央駅に降り立つと、日本人にはおなじみのキハ40形気動車が窓や前面の貫通扉を全開にして停まっていた。 ミャンマーはインドネシアと並ぶ日本の中古車両の「聖地」でもあり、2003年以降、260両もの中古気動車が輸出されている。東北地方で活躍した、白地にグリーン濃淡の塗装をまとう元JR東日本の一部車両には、ミャンマーと日本の国旗をデザインしたステッカーが掲出され、なんとなく誇らしげだ。 日の丸のステッカーは車両だけでなく、駅構内の信号機やポイントの転轍てこに至るまで貼られている。これは、2018年に「鉄道中央監視システム及び保安機材整備計画」の一部として、日本の無償資金協力で整備されたものである。さらに、ホーム上の売店には五能線・奥羽線を走る観光列車「リゾートしらかみ」を模したラッピングまで施されている。 アジア最後のフロンティ