「TPP」と「橋下徹」が話題をさらった11月が終わり、師走の12月となったが、今年の大きな出来事というと東日本大震災とそれに伴う東電原発事故に尽きるだろう。しかし震災と原発事故の議論は先月はTPPと橋下の陰に隠れた形となった。 このあとは消費税増税が政治の焦点になって、TPPも橋下も人々の関心の外に去るのではないかと私は思っているが、それ以上に気になることがある。それは、東電原発事故が他ならぬ「反原発派」の間で「娯楽」として「消費」されるようになってきていることだ。 具体的に言えば、急性白血病に関する話だ。誰それが急性白血病で亡くなった、その人は東電原発事故後に福島入りしていた、などという話がネットで広まる。しかし、東電原発事故が起きてから9か月も経たない現在、不運にして白血病で亡くなられた方が罹患した原因が東電原発事故であることなど断じてあり得ないのだ。それらは「根も葉もないデマ」である