ロシアを代表する知日家の一人で、『桜の枝―ソ連の鏡に映った日本人』の著書で知られるフセヴォロド・オフチンニコフ氏が、独特の視点から、主に1960年代の日本の思い出をつづる。 日本を訪れるロシア人、そしてそれ以外の外国人観光客の大多数の人にとって、日本にやってきてまず目につくのは太平洋沿岸部特有の狭さであろう。世界でも最大級のメガポリス(東京、大阪、名古屋)は、都市や工場が小さな建物を圧迫する、そんな人間の蟻塚をつなぐ鎖を形成している。 日本で人の住まない地域といえば、日本最北の島である北海道にしか残っていないという考えが根付いている。しかし「日本のシベリア」はそこだけではない。実はどこにでもある。その場所を見つけるためには、太平洋沿岸から少し離れてみさえすればよい。すると目の前にはたちまち高山草原、滝の飛沫があがる川、世紀を超えて立ちつづける松の木の間に眠る火山湖が開ける。本州の北部と中央
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