大金星には、あと一歩届かなかった。しかし、石井正忠監督が前日会見で「アジア(のサッカーレベル)は南米とヨーロッパに引けをとらないと証明したい」と語ったように、欧州王者を苦しめた一戦で鹿島アントラーズはサッカー界に少なくない衝撃を与えた。 マドリディスタ(マドリーファン)の知人から、次々とSNSアプリの『ワッツアップ』を通じてメッセージが届く。 「オイ、この鹿島ってチーム、一体どうなってんだ?」 カリム・ベンゼマの得点で開始早々の9分に失点した鹿島だが、柴崎岳のボレーシュートで前半のうちに追い付くことに成功した。後半、本気のレアルが牙を剝く。誰もがそう思っていたはずだ。しかし、後半に入ってスコアを動かしたのは鹿島だった。52分、柴崎がミドルシュートを沈めた。スペイン人のボルテージも上がる。特にDFセルヒオ・ラモスをあわや退場に追い込みかけた金崎夢生はスペイン人の度肝を抜いた。 「ムウ