このような大変な困難と混乱の折でも、日本を含む世界中の金融市場は、人々の日々の経済活動と同様に、通常通りに動いています。そして欧米では、経済大国である日本の未曾有の震災や、原発事故、計画停電などによる、世界経済の影響を懸念する声が、多く聞かれます。事の重大さは、G8が震災後の週明けに、急速な円高リスクに対処するために、異例の円売り協調介入を行ったことなどからも、見てとれる気がします。 当ブログでは、欧米の金融業界の動向や関心事について取り上げていますので、今回は「震災の世界経済に与えるインパクト」と、より長期的かつ前向きな議論に繋がる可能性のある「日本のリーダーシップ」という二点について、書いてみたいと思います。 災害の経済インパクト 震災が世界経済に与える潜在的影響については、震災直後より日本の証券会社や東京に拠点を持つ欧米の投資銀行などが、様々なリサーチレポートによって詳細に分析をして