リニア中央新幹線の品川(東京)―名古屋間の2027年の開業が遅れる公算が大きくなった。JR東海が6月中の着手が必要としていた静岡県内の工事の準備について、川勝平太知事は26日、「認められない」と明言。環境問題をめぐって溝が埋まっていない。 川勝知事とJR東海の金子慎社長は同日、県庁で同問題をめぐって初めて会談した。JR東海は準備工事に6月中に着手できなければ「27年開業が困難」と言及しており、トップ会談で打開を図ろうとしたが、平行線に終わった。 金子社長は会談で、トンネル工事に先立つ作業場整備などの準備工事に理解を求めた。トンネル掘削とその後の試験などを合わせ7年半ほどかかるため、「作業はぎりぎりのタイミングだ」と述べた。 南アルプスを貫くトンネルの静岡工区(8・9キロ)で、飲料水や工業用水に使う大井川水系の流量が減ることを県側が懸念し、着工に同意していない。工事には河川法にもとづき知事の