家庭用テレビゲーム産業の父、任天堂の山内溥前社長が9月19日、85歳で逝去した。3日後の22日に京都市内の任天堂本社で執り行われた社葬には稲盛和夫・京セラ名誉会長ら京都財界の首脳が参列。岩田聡社長は弔辞の中で故人との思い出を次のように述懐した。「山内さんの笑顔は最高に魅力的でした。滅多なことでは褒めてくださる方ではありませんでしたが、まれにこちらの報告に笑顔で応えてくださったときは、本当にうれしく感じ、どんな苦労も吹き飛んで力が湧いてきたことを覚えています」。 大学在学中の22歳で家業のカードゲーム会社を引き継いだ山内氏は社長を53年務めた。多くの失敗を繰り返しながらも、「ゲーム&ウォッチ」などのヒットを飛ばし、任天堂を世界的なゲーム会社に育て上げた。荒波をくぐる中で確立した信念は「独創の精神」だ。1998年の本誌取材ではこう断言した。「われわれが考え、形成し、創造し、歩む。人に影響された
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