アート系映画の秀作を次から次へと世に送り出して、世界的に注目されている新興の映画カンパニーA24の配給で、2016年12月に全米公開された『20センチュリー・ウーマン』。ギリギリの公開タイミングで今年2月に開催されたアカデミー賞授賞式で脚本賞にノミネートされたことからもわかるように、本作は本国基準で言うなら「2016年の作品」ではあるが、2017年の終わりに今年日本公開された作品の数々を振り返ってみた時、これほど「2017年的な映画」はなかったんじゃないかと思えてならない。今回、DVDがリリース(12月6日発売)されるタイミングに合わせて、その意義と、本作が指し示した映画の未来について考察してみたい。 本作のプロモーションのためにマイク・ミルズ監督が来日した際、某ファッション誌でおこなったインタビューは、今年自分がした取材で最も強い印象に残ったものの一つだった。1970年代の女性解放運動を