第2次大戦中の日本で唯一地上戦が行われた沖縄。70年以上経つ今もその爪痕がはっきり残る場所が、本島南部の豊見城市にあります。米軍が上陸してくる3カ月前に掘られた旧海軍司令部の地下壕です。海軍の沖縄根拠地隊はここに立てこもり、最期を迎えます。幕僚室の壁には手榴弾で自決した跡が残っています。太田実司令官が1945年6月6日の自決直前に本省へ送った「沖縄県民かく戦えり」という電文は有名です。 105段、20メートルほどの階段を降りると、迷路のような地下トンネルが広がっていました。ひんやりとした空気が下から上がってきます。 コンクリートと杭木で固められ、米軍との持久戦のために作られました。海軍の設営部隊がツルハシで450メートルもの地下トンネルを掘りました。4500人の兵士が収容され、下士官は立ったまま寝る有様だったそうです。 司令官室。拳銃で自決した太田中将は、女性も子供も動員され、たくさんの犠