小林多喜二ら政治・思想犯を収容 戦前・戦中の政治犯や思想犯らが収容された旧中野刑務所(旧豊多摩刑務所)について、東京都中野区は残っている正門を約100メートル西側に移築して保存することを決めた。当初は移築せずに保存する方針だった。2021年度当初予算案に関連費用を盛り込んだ。【川村咲平】 区は同所に小学校を新築する方針。区民や建築家から「正門を残してほしい」と要望を受け、19年1月に正門を現地で保存する方針を決定した。 だが、正門は小学校の敷地の中心に位置するため、「現地保存以外も検討すべきだ」との声が上がった。区は正門の学術調査を行い、正門を見学する十分なスペースを確保しながら新校舎を建設するのは難しいと判断。建物を解体せずに現在地から動かす「曳家(ひきや)」による移築に転じた。