【ニューヨーク=柳沢亨之】百科事典の「ブリタニカ」(本社・米シカゴ)は13日、書籍版(全32巻)の発刊を取りやめ、インターネットを通じた電子版に全面的に移行すると発表した。 240年以上の歴史を誇る名門が、ネット上の無料百科事典ウィキペディアなどとの競争で書籍版の出版に幕を下ろすことになった。 書籍版は2年に1度発刊されており、現在販売中の2010年版(1395ドル=約11万5000円)が最後となる。今後の主力となる電子版は年間69・95ドル(約5800円)で閲覧が可能という。 ブリタニカは1768年、英スコットランドで創刊、多くの国で普及した。米メディアによると、米国での販売は1990年の約12万部をピークに、10年版は約8000部へと低迷。同社は94年に電子版を導入していた。