「自分の性別をいつも意識していますか」とたずねられたら、あなたはどう答えますか。 幼い頃、わたしは自分が男なのか女なのか意識したことはありませんでした。気がつくといつも一緒に遊んでいたのは男の子。かれらと同じように自分を「ぼく」と呼んでいました。ある日、仲良しの子から「さわぐりちゃんは女の子なんだからぼくらと同じではないよ、おしっこの仕方だってちがうんだよ」と言われ、初めてふだん一緒に遊んでいる子たちから区別されるという経験をしました。 好きな色は青、好きな服装はショートパンツにスニーカー。そんな自分のことを「わたし」と呼ぶようになったのは決して早くなく、小学校に上がる少し前だったと思います。小学生になってからも好きな色、好きな服装は変わらずで、高学年までスカートを履くことはありませんでした。ある出来事が起こるまでは。 小学5年生のとき、わたしはある音楽コンクールに出場することになりました
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