手紙を配達する猫「クースケ」が、福知山市大江町南有路にいる。脚の指をけがして「助けて」と言わんばかりに玄関先で鳴き続けていた猫を、倉橋英子さん(83)が昨春から家族の一員のようにして飼ってきた。昨夏、近くの工事事務所で働く女性が、道路上にいた人懐っこいクースケと遊んだのをきっかけに、倉橋さん方と事務所間を毎日のように行き来するようになり、心の絆を結んでいる。 白黒2色の毛並みをした雄の猫で、倉橋さんが名付けた。 昨年5月、自宅前で鳴き声がやまず、玄関の戸を開けると、右後ろ脚が血で染まった猫が倒れ込むようにしていた。「当時、周辺にアライグマが出没していました。指2本をかみ取られたらしく、やせこけて、見るに堪えない状態でした」と振り返る。 動物病院で手当てを受け、自宅でも毎日、傷口の消毒や手当てを続け、やがて元気を取り戻して歩けるようになった。 昨年7月のある日の夕方。便せんを折りたたんだ手紙