昨日、送稿した教育についてのエッセイの最後を私はこんなふうに結んだ。 教育再生のための方法として私から提言できることは一つだけである。それは教育現場から消費文化のイデオロギーを一掃すること。さしあたり、ビジネスのワーディングで教育を語る人間(メディアで教育を語っている人間のおよそ半数はそうである)にすみやかにご退場願うことである。もちろん、誰もそう簡単にはご退場くださらないであろうから、私はこうして機会あるごとに懇願しているのである。 家に帰って夕刊を開いたら立命館大学での「転部応募」の話が一面に掲載されていた。 こんな話である。 今春新設の生命科学部で、280人の入学定員に対して、414人を受け容れてしまったために、定員超過率が1.48倍となった。これでは文科省からの私学助成が交付されない。 だが、立命館は助成金の交付を望み、「あと22人入学者数を減らせば、交付が受けられる」という計算で