「100年に1度」といわれる世界不況。その原因をたどると、その背後には、金融市場を軸に利潤を最大化しようとする資本主義があった。そして、その理論武装の役割を担ったのは、金融工学をはじめとする経済学だった。 一方、公共投資による景気刺激策として、バラク・オバマ米大統領は環境と経済の両方の危機を同時に克服する「グリーン・ニューディール政策」を掲げる。これは、1925年の世界恐慌に対して、フランクリン・ルーズベルト大統領がケインズ経済学を取り入れた「ニューディール政策」になぞらえられる。今またケインズ経済学に注目が集まり、論争も起きた。 果たして、経済学には何が期待されているのか。経済学は社会の役に立つのか。そして、そもそも経済学とは何なのか。 こうした問いかけを、経済学者とは立ち位置が異なる2氏に投げかけた。「自然科学は法則、社会科学は規範」を持論とする経営コンサルタントの小宮一慶氏と、『バカ