『アルファ・シノドス ―“α-synodos”』vol.46(2010/02/15)、vol.81(2011/8/1)から転載。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇高木仁三郎氏に感じた「違和感」 今回の東日本大震災は十分にひどい経験であった。いや、過去形にしてはならない。未だにそれは進行中である。 それは従来日本が経験したほとんどの自然災害と異なり、その被害が局地的にコミュニティを破壊するだけにとどまらず、複数のコミュニティに同時に襲い掛かり、かつそれらを結ぶネットワークをも寸断した。 正直言ってぼくはロジスティックス、物流というものを舐めていた。1個単位で商品の動向を把握するPOSが象徴する物流システムの洗練に、すっかり油断させられていた。日本を含めた先進国において、電子的なデータ通信ならともかく、ものの流通がこれほど深刻に滞り、人命を危機にさらすようなことが起こりうるとは、正直想像