半藤一利さんと「三平」でそばを楽しむ福田康夫さん(右)。中央はおかみの水口素子さん=東京・赤坂、山本和生撮影福田康夫さん(右端)なじみの「三平」で取材する三輪さち子記者(手前)=東京・赤坂、山本和生撮影 ■「ポストまで決めていた」大連立まぼろしに 【三輪さち子】日本のかじをとる最高権力者には移動の制約が多い。警護官(SP)がつき、常に衆人環視のもとで激務をこなす中で、好きな店に行くこともままならない。長年の友と気楽に語り合い、ともに食するこだわりのそばを在任中に封印した首相がいた。福田康夫氏(2007年9月〜08年9月)だ。 東京・赤坂のそば店「三平」では年に2〜3回、文人たちと福田氏が集うサロンが開かれる。女将(おかみ)の水口素子さんが経営していた銀座の店に福田氏が石油会社員だった40年ほど前から通い、半藤一利氏や故・丸谷才一氏、サトウサンペイ氏らと知り合ったのがきっかけ。19年前に