大きく裂けた口からは鋭い歯が飛び出し、くすんだ黒色の長髪の下からは大きなギョロ目がのぞく。赤黒くザラついた体には、筋肉のような「不気味」な模様が浮かんでいて―― こんな「ホラー過ぎる」見た目の兵庫県福崎町の公認キャラクター「ガジロウ」が、いまネット上を騒然とさせている。活動が報じられる度に「大人でも怖い」「トラウマになる」との悲鳴が飛び交うこのキャラ、一体どんな経緯で生まれたのか。「生みの親」である福崎町の担当者に聞いた。 「あえて滅茶苦茶気持ち悪いキャラクターを」 「遠野物語」「妖怪談義」などの著作で知られる民俗学者・柳田国男(1875~1962年)の出身地である福崎町は、2013年から妖怪を使った町おこしに力を入れている。カッパをモチーフにした「ガジロウ」も、その一環で誕生したキャラクターだ。 そんなガジロウは、一般的にイメージされる緑色のかわいらしい「カッパ像」とはかけ離れた、赤