プラネタリ・ギアの作用、すなわちトランスミッションとして回転を増減速する作用は、サン・ギア、プラネット・ピニオン・ギア、それにリング・ギアをそれぞれ回転できないように固定したり、駆動したりすることによって実現するので、それらの作用を順次調べてみることにしよう。 1.中立(ニュートラル) 3つのギアの全てを固定しない状態のときに、いずれかのギアに駆動力を与えてもギアが空転するだけでトルクは伝導されない。これが中立の働きだ。 まずリング・ギアに駆動力を与えてみよう。プラネット・ピニオン・ギアとサン・ギアとが空転するだけで、その力はサン・ギアにも、ピニオン・キャリヤーにも伝わらないので空転、いわゆる中立になる。 つぎにサン・ギアに回転を与えても同じようにプラネット・ピニオン・ギアとリング・ギアだけが空転する。今度はピニオン・キャリヤーに回転を与えてみよう。リング・ギアとサン・ギアのどちらかが静止