<高校野球福島大会:喜多方8-1相双連合>◇14日◇1回戦 福島第1原発事故の影響で転校が相次ぎ、部員不足に陥った双葉翔陽、富岡、相馬農の3校による連合チーム「相双連合」が、福島大会1回戦で喜多方に7回コールドで敗れた。富岡から、ただ1人参加した中村公平遊撃手(3年)は、卒業後に福島第1原発で働くことになっていたが、震災で破談になった。7回には唯一の得点となるソロ本塁打を放ち、一矢を報いた。 原発事故の余波と闘う地元へ、4番中村が感謝のアーチを架けた。無安打でのコールド負け寸前だった7回。内角速球をフルスイングすると、打球は高く舞い上がり風に乗った。ジリジリと下がった左翼手がフェンスにぶつかる。その頭上を越えたのを確認すると、応援席に人さし指を突き上げた。「狙っていた。応援に来てくれた富岡町の方や同級生のために」。笑顔でダイヤモンドを1周した。 原発から10キロの富岡は、立ち入り禁止の警戒