東京都多摩市落合の文化施設・パルテノン多摩で26日夜、1人の男性が定員302人の小ホールを借り、女性に結婚を申し込んだ。女性に内緒で男性の友人や施設のスタッフが準備に協力した「プロポーズ大作戦」。果たして思いは届いたか…。 (加藤益丈) プロポーズしたのは狛江市の会社員笹川隆史さん(30)。相手は町田市の同大谷詩織さん(25)。二人は多摩市内の専門学校の元教師と当時の教え子で、三年前に交際を始めた。笹川さんが結婚を申し込む舞台に選んだのが、同校の卒業式に使われるなど思い出深いパルテノン多摩だった。 この日、笹川さんは「おやじバンドを見よう」と大谷さんを誘っていた。ほかに観客がいないことを不審がる大谷さんを引っ張り、二人でホール中央の席に座ると、ステージ上の特大スクリーンに二人の写真のスライドショーが始まった。 スライドショーが終わると、スポットライトが二人を照らした。笹川さんは立ち上がり「
東京電力が、保養所や接待施設の維持管理費、年8・5%もの利子が付く財形貯蓄などさまざまな社員優遇に必要な費用を、電気料金を決める際の原価に算入し、電気料金で回収していたことが本紙の調査で分かった。こうした事実を東電も認めている。東電の手厚い福利厚生は、電力会社を選ぶことができない消費者の負担によって維持されてきたことになる。 電力料金は「総括原価方式」と呼ばれる方法で算出される。施設の修繕費や燃料費など発電に必要な費用を積み上げ、電力会社の利益を上乗せし、その総額を電力料金で回収する仕組み。 ただ、費用に何を計上するかは電力会社の判断に任されている面が強い。既に、官庁OBを受け入れている財団法人への拠出金や広告宣伝費など発電とは関係のない費用に入れられていたことが判明している。経済産業省の有識者会議(座長・安念潤司中央大教授)は今後、これらの費用は計上を認めない考えを示し、同省もその考えに
「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」にまで踏み込んだ首相発言に、福島第一原発の現場で働く作業員たちからは、「言っている意味が理解できない」「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」などと、あきれと憤りの入り交じった声が上がった。 作業を終え、首相会見をテレビで見た男性作業員は「俺は日本語の意味がわからなくなったのか。言っていることがわからない。毎日見ている原発の状態からみてあり得ない。これから何十年もかかるのに、何を焦って年内にこだわったのか」とあきれ返った。 汚染水の浄化システムを担当してきた作業員は「本当かよ、と思った。収束のわけがない。今は大量の汚染水を生みだしながら、核燃料を冷やしているから温度が保たれているだけ。安定状態とは程遠い」と話した。
福島第一原発事故をめぐる政府や東京電力の記者会見では、しばしば珍妙な用語が飛び出す。「事故」と言えばいいのに「事象」が使われる。「老朽化」は「高経年化」、「汚染水」は「滞留水」に。「危険性を隠したがる原子力界の潜在意識の表れだ」と指摘する原子力の専門家もいる。ヘンテコな原子力用語を検証した。 (谷悠己)
報道陣に二十七日公開された東京スカイツリー(東京都墨田区)の商業施設「東京ソラマチ」には、世界一のタワーを訪れた観光客を楽しませる工夫が各所に凝らされていた。 ソラマチ三階の通路には、線路のレールを輪切りにして埋め込んだ床が転々とある。ツリーの建設地は、事業主の東武鉄道がかつて、貨物操車場として使っていた。その歴史を実感してもらおうと最寄りの業平橋駅で、実際に使っていたレールを床に埋め込んだ。 世界中から観光客が訪れることを見込み、国際色豊かな演出も。三階にある壁が数カ所でレンガ模様になっており、外国語であいさつが書かれている。欧米では国によってレンガの積み方が異なるため、米、英、ドイツ、フランス、オランダの五カ国の積み方を再現し、その国のあいさつを刻んだ。 タワー街区四階の展望台への出発ロビー前に広がる屋上スペースには、約三千平方メートルの交流広場を整備。百本以上が植栽され、東側は雑木林
放射性物質の除染費用を国が負担する前提となる「汚染状況重点調査地域」の指定について、県北西部の柏、松戸など八市が指定を目指す方針を国に伝えたことが二十五日、分かった。一方で、船橋、市川両市は「費用負担はしてほしいが汚染地域というイメージがつく」ことを理由に、国への回答を「保留」としている。環境省は指定地域を年内に決める予定で、除染費用の負担をめぐる調整が本格化してきた。 (横山大輔) 重点調査地域は、来年一月に全面施行となる放射性物質汚染対処特別措置法に位置付けられている。指定は市町村単位で、大気中の空間放射線量が毎時〇・二三マイクロシーベルト(年間換算で一ミリシーベルト)以上とされている。指定を受ければ、国が除染費用を負担するが、逆に指定されなければ国の負担はない。 県などによると、指定作業は十月末に環境省が開いた県内自治体向けの説明会で始まった。国側は文部科学省が行った放射線モニタリン
電気料金制度を見直す経済産業省の有識者会議(座長・安念潤司中央大教授)は二十二日の会合で、財団法人への拠出金や広告宣伝費などは、電気料金を決める際の原価に算入を認めないことで合意した。 こうした点を盛り込んだ報告書を来年初めまでにまとめ、枝野幸男経済産業相に提出。来春にも、電気料金の運用が変更される可能性が高い。 電力会社は、さまざまな費用を積み上げ、「総括原価方式」と呼ばれる方法で電気料金を決めている。費用の中には、天下りを受け入れている財団法人への会費や自治体への寄付、業界団体への拠出金、広告費など発電とは関係のない支出も数多く含まれ、問題視されてきた。 二十二日の会合では「広告費や寄付金はかなり政治的な目的で使われている」など、消費者の不利益になっているとの意見が大勢を占めた。 安念座長は、電力会社が、会費や寄付金などを発電に不可欠だと証明しない限り、原価への算入を認めないよう、経産
下町風情が残る東京都荒川区西日暮里の名物階段「夕やけだんだん」周辺で暮らす野良猫たちが、ドキュメンタリー映画になった。題して「谷中のら猫ラプソディー ~だんだん猫10年の記録~」。今月から来年一月まで月一回、台東区谷中の戸野廣(とのひろ)浩司(こうじ)記念劇場で上映される。制作したテレビ番組編集者伊藤信幸さん(54)=神奈川県厚木市=は「野良猫が平和に昼寝できる街は、人間も暮らしやすい」と話している。 (井上圭子) 「夕やけだんだん」は幅約四メートル、長さ約十五メートル、三十六段のなだらかな石の階段。JR日暮里駅近くの商店街「谷中銀座」へ下りる途中にある夕焼けスポットだ。 台東、荒川、文京の三区にまたがる東京下町散策の人気エリア「谷根千(やねせん)地区」を西側に見下ろす。野良猫たちは谷中の名物にもなっており、地元の人が名前を付け、観光客にカメラを向けられても堂々と寝そべっている。 映画の主
環太平洋連携協定(TPP)交渉について通商問題を担当する米議会関係者が、日本の参加には「保険などの非関税障壁(関税以外の市場参入規制)が重要な問題となる」と述べていたことが政府の内部文書で分かった。米議会関係者は、日本郵政グループのかんぽ生命保険が販売する簡易保険や共済などの規制改革も交渉テーマにすべきだ、との見解を示したとみられる。 政府は与党・民主党に対しては、簡易保険などがテーマとなる可能性に触れつつも「現在の九カ国間の交渉では議論の対象外」との説明にとどめていた。明らかになった米議会関係者の発言は、日本がTPP交渉に参加すれば保険分野だけでなく、幅広い分野での規制改革がテーマに加わる可能性が高いことを示した内容。今後は情報開示が不十分なまま政府がTPP参加の議論を進めることへの批判が強まりそうだ。 内部文書によると、米議会関係者は、日本の参加には米国が以前から求めている関税以外の規
東京メトロと都営地下鉄の一元化をにらんだ利用者サービスの改善策が動き始めた。メトロ半蔵門線と都営新宿線のホームを隔てる九段下駅の壁が撤去されるのをはじめ、70円の乗り継ぎ割引が適用される乗換駅に新たにメトロ日比谷線の秋葉原駅と都営新宿線の岩本町駅を追加指定。一方の利用者が他方のホームを無料で通過できる「改札通過サービス」も初めて導入される。いずれも2013年までに実施される。 (浜口武司) 改札通過サービスが始まるのは(1)メトロの南北線と有楽町線、都営新宿線が乗り入れる市ケ谷駅(2)メトロ丸ノ内線、南北線の後楽園駅と都営大江戸線、三田線の春日駅。乗車した地下鉄と違う会社のホームや通路を通ることで、雨の日でも濡れずに目的地近くの出口を利用できる。 例えば(1)で、靖国通りの地下にある都営市ケ谷駅からメトロの通路を通って南北線の上にある外堀通り沿いの出口に出られる。(2)では、三田線の利用者
ギネス世界記録に挑むイベント「みんなでたこ焼き大パーティー」(キリンビール主催)が二十五日、千葉市美浜区の幕張メッセであった。約二千四百人が来場し、会場はたこ焼きソースの香ばしい匂いに包まれた。 たこ焼きで「同時に調理する人数が世界一」の記録に挑戦。ズラリと並んだたこ焼き器を前に、参加者は同じ材料と手順でたこ焼きを作り、その場で認定員が判定した。二千三百十一人が同時に調理したと認められ、今年一月にメキシコのお祭りで達成された百五十人の記録を大きく上回った。
東京電力福島第一原発1~4号機の原子炉建屋やタービン建屋地下に、一日数百トンの地下水が流入している可能性のあることが分かった。汚染水処理の実績などから計算すると、五万トン強まで減っているはずだが、実際には八万トン強も残る。東電も地下水流入の可能性を認めており、地震で建屋地下の壁が損傷し、流入していることが考えられる。今後の収束作業に影響が出そうだ。 建屋からくみ出した汚染水の移送量や原子炉への注入量など東電が公表したデータを本紙が集計したところ、約十万トンあった汚染水は、十三日時点で約五万千六百トンにまで減っているはずだった。 しかし、実測の地下水位から東電が推計した汚染水残量の最新値は約八万千三百トン。移送量などから逆算した値とはほぼ三万トンの開きがある。 東電はこれまで、汚染水がなかなか減らない理由を、雨水の影響と説明してきた。福島第一周辺では、七月以降の三カ月間に三回まとまった雨が
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