新橋の本屋でふと手にした「古代文明と気候大変動—人類の運命を変えた二万年史」という本を読んでます。 気候変動が人類の歴史に与えた影響を丹念に綴ったよい本です。よーするに、柔軟性を失った人類が気候の変動にいかに翻弄されて歴史が動いてきたのか、食料の生産性向上と都市に対する依存がいかに気候の変動に脆弱なものかを明らかにする良書です。 これによれば、狩猟採集民族は移動することで気候の変動に巧みに対応してきたのですが、農耕による生産性の向上が逆に都市や国家の脆弱性を高めることになり、それが歴史を動かす重要な鍵になった。そうした趣旨を饒舌な著者の表現で生々しく解説します。 これを読むと、二酸化炭素による温暖化なんて、地球規模の気候変動と比較してずいぶんちっぽけな現象に過ぎなく、「環境保護」なんて言葉がそれこそ人類のおごりなのではないかとさえ思えます。が、ここでのテーマはそういったことではなく、こうし