ちょうど1カ月前、安倍晋三首相が米国連邦議会上下両院合同会議で行った演説(以下、「希望の同盟」演説と略)は、戦後70年を経た日米両国の「和解」を確定させる意義を持つものであった。 もっとも、この「希望の同盟」演説の意義を半減させないためにも、具体的な政策上の裏付けが用意されなければならない。集団的自衛権行使を織り込んだ安全保障法制整備の落着、そして環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の樹立は、そうした裏付けにおける当面の双璧であろう。 ≪海を基準にした位置付けを≫ こうした政策上の推移は、日本の国家としてのアイデンティティーに関わる一つの重要な問いを突き付けている。それは、「日本が国家としての軸足を置くのはアジアなのか、それとも太平洋なのか」という問いである。 そもそも、世界地図上、日本を含む領域は、どのように呼ばれるのか。従来、「陸」を基準にして、日本は「東アジア」や「北東アジア」を成す
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