吉永陽一氏の「空鉄」のなかでも作品性の高いものを多く収録した待望の書。既刊の講談社の2冊がB5判であるのに比べ、今回はA4判、より大きな誌面で楽しめる。 吉永さんの空撮写真のすごさは垂涎のものだ。巻頭のベストセレクションはすばらしい。浜名湖を渡るN700系は書泉グランデでの写真展示で大きなパネルで拝見していて、なぜ講談社の本に収録されなかったのかと憤っていた作品。ようやくここで収録された。 本書は、適切な解説キャプションとともに、このスタイルで延々と続けて欲しかったのだが、全体的に、読者のイマジネーションをかきたてる素晴らしい空撮写真……をスポイルする編集がなされている。非常に残念だ。 * 前半は、東海道新幹線50周年ということで、それをメインに据えて構成してある。ならば、路線図や、駅・車両の解説などいらないので、その分、写真を大きく見せて欲しかった。写真展で畳1畳分くらいのパネルになって