国際競争力を持つ日本の産業はいずれも、ユーザーの厳しい目に鍛えられて成長してきました。自動車や精密機械だけでなく、素材、食品、小売りなど、いずれもユーザーである消費者・企業と供給者の双方の“こだわり”が、高い品質を実現してきました。 産業ばかりでなく文化であっても、和食、ラーメン、ゲーム、漫画、アニメーションなど、日本発で海外で広く普及しているものは、いずれも厳しいユーザーに鍛えられて育ったものばかりです。 ところが情報システム、特に企業や団体が利用する業務システムの品質はどうでしょうか。日本発の業務ソフトウエアが国際競争力を持つという事例は少なく、“ユーザー企業”が優れた情報システムを活用することによって国際競争力を獲得したという事例も数えるほどしかありません。 この連載『ダメな“ユーザー企業”を叱る!』では、我が国の情報システムが競争力向上につながらない原因を、“ユーザー企業”側の問題