ついに渋谷が品川に抜かれた――。2017年の夏、こんなニュースが世間を賑わせた。JR東日本が発表した2016年度の駅乗車人員で、かつては新宿・池袋に次ぐトップ3の常連だった渋谷駅が品川駅を下回り、6位に後退したのだ。 JR渋谷駅の乗車人員は、2013年3月に東急電鉄東横線が東京メトロ副都心線と相互直通運転を開始した影響を受け、同年度に3位から5位に下落。その後は減少傾向が続き、現在も6位に甘んじる。地上3階から地下5階まで広がる複雑な多層構造の駅は「ダンジョン」などと揶揄されることも多い。乗車人員の減少は、直通運転で乗り換えが必要なくなっただけでなく、駅の複雑さが敬遠されているのではないか……との声もあった。 一方、2020年1月には東京メトロ銀座線の駅が移転開業してJR線との乗り換えが改善され、同年6月にはそれまで遠く離れていた埼京線のホームが北に約350m移動して山手線と並列になるなど