アメリカに渡った人々19世紀は、蒸気機関車の発明に象徴される交通網の圧倒的発展と、産業の機械化が激しく進んだ時代でした。 人々の暮らしはますます便利になり、人口も大きく増加しました。 しかしその一方で、それまでの流通機構や生産体制、作業効率が根底から覆り、経済の仕組みが大きく変わっていきました。 結果、貧富の差がそれまで以上に広がり、変化に対応できなかった人々は貧困化し、新天地に活路を見出すしかありません。 その最大の移民受け入れ先こそが、アメリカでした。 1821年から1920年までの100年間にアメリカに渡った移民の数は、およそ3300万人と言われ、ヨーロッパからの移民がかなりの割合を占めていました。 その前半は、工業化が早く進んだイギリス、アイルランド、ドイツからの移民が大半。 イタリア(特に南部)は工業化が遅れたこともあり、アメリカへの移住が始まったのは、1880年代に入ってからの