地球上で最も危険な生物は? サメ?ヘビ?それとも人間? 2014年4月末にビル・ゲイツが自身のブログで投げかけたこの質問が大きな話題を呼び、多くのニュースサイトでも報じられたのは、その答えがあまりにも意外だったからだろう。危険の尺度を「1年間に何人の人間が殺されているか」とすれば、最も危険な生物はサメでもヘビでも人間でもなく、蚊なのだという。ある推計によれば毎年75万もの命が蚊によって失われているというのだ。 蚊が人類最大の脅威となるのは、蚊がマラリアを媒介するからである。日本で生活していると実感が湧きにくいが、マラリアは今でも毎年数億人に感染している。本書は、そんな恐るべきマラリアと人類の50万年にも及ぶ闘いの記録である。本書を読めば、人類が築きあげてきた歴史がいかにマラリアに影響を受けているか、わたしたちのDNAにどれほど色濃くマラリアとの闘いの痕跡が刻まれているかに驚くだろう。古代ロ
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