息が白い。気温は零下1度。時計の針は午前6時50分を指している。 昨年12月の日曜、宮城県石巻市の国道沿いにあるパチスロ店ジョイパーク石巻店には10人以上が列をつくっていた。 「本日7時オープン」。のぼりが寒風に揺れる。石巻市のパチンコ店の開店は日本一早い。業界ではそう言われている。 シャッターがゆっくりと上がった。 キュインキュイーン。ピッポパッポピピピピピ。 色鮮やかな光を放つパチンコとスロットは約500台。北斗の拳やルパン三世のキャラクターが画面の中で目まぐるしく動く。 客のほとんどは「1スロ」と呼ばれる台をめざす。千円で900枚のメダルが出る。ほぼ1円1枚なので「1スロ」。10円1枚が一般的な店内で、もっともレートが低い。ゲームセンター並みの設定だ。 開店から1時間で32台ある1スロの大半が埋まった。東松島市の男性(46)もここが定位置。6時過ぎに起き、自転車をこいで通う。「少ない