1 数値予報とは 警報・注意報や各種の天気予報では、目先の大気の状態から明日・明後日やさらに先の大気の状態を予測する必要があります。大気や海洋の現象は物理や化学の法則に基づいて起きていますので、この法則を用いて「今」の大気などの状態から「将来」を予測することが原理的には可能です。この手法は「数値予報」と呼ばれ、気象庁の予報業務の根幹をなす技術となっています。数値予報は、大気や海洋・地表面での様々な振る舞いを物理や化学の法則で表現したコンピュータのプログラムを必要とします。このプログラムを「数値予報モデル」といい、予測の精度を向上させるため開発や改良が進められてきました。また、数値予報モデルを予報業務に使うには、膨大な計算を短時間に処理する必要があり、このため気象庁では昭和34年(1959年)に我が国の官公庁として初めて科学計算用のスーパーコンピュータを導入し、以来、常に世界最高レベルのコン