打ち上げから7年、60億キロの長旅を終え、満身創痍(そうい)の小惑星探査機「はやぶさ」が13日夜、地球に帰還する。カプセルの分離・大気圏突入は成功するのか。そこには、人類が初めて手にする小惑星の石が収められている可能性がある。宇宙航空研究開発機構相模原キャンパスで苦難に満ちた計画を率いたプロジェクトマネジャー、川口淳一郎同機構教授に話を聞いた。 ▽野心的探査機 2003年5月に打ち上げられた「はやぶさ」の任務は、小惑星イトカワ(長さ約540メートル)に着陸。金属弾を打ち込み、飛び散った破片を採取。地球に持ち帰り、太陽系成立の謎解明に寄与するとともに、地球に飛来する隕石(いんせき)回避の研究に貢献すること。 もう一つは、遠い天体の調査のため造られた新型のイオンエンジンや自ら姿勢制御を行う自律飛行の性能実験を行い、技術を確立すること。川口教授は「科学と技術の成果を一つの機体で望める野心的