本稿が掲載される7月5日は中国のウイグル族にとって特別の日。4年前のこの日、新疆ウイグル自治区のウルムチ市で大規模な騒乱事件が発生し、多くの犠牲者が出たからだ。つい最近も自治区内ではウイグル族による中国治安組織への襲撃事件が頻発しているが、なぜか世の中の関心は低いようだ。 今、世の関心はエジプトにある。イスラム主義者の大統領と反政府勢力との間に妥協の余地が見られないなか、遂に7月4日、軍部は事実上のクーデターに踏み切った。CNNの実況中継を見ながら筆者は、この非妥協主義による政治的混乱はいずれウイグル地域にも飛び火するかもしれないと直感した。 というわけで、今週は久しぶりでウイグル族と漢族の確執を取り上げる。(文中敬称略) 着々と「漢化」が進むウイグル自治区