小さないのち みんなで守る 厚生労働省によると、実父母のもとで暮らすことができず、社会的養護が必要な18歳未満の子どもは2016年3月末で全国に約4万5千人いる。そうした子どもたちは、乳児院や児童養護施設などの施設や、里親家庭などで育てられる。日本は施設養育が8割を超え、欧米などに比べて「施設偏重」と指摘されている。 家庭養育には主に、「里親」に育てられるケースと、「特別養子縁組」を結んだ養親に育てられるケースがある。里親は、子どもが自立するか、実父母と暮らせるようになるまでの一定期間育てるもので、親権は実父母が持ったままだ。 特別養子縁組は、養親と養子が戸籍上の親子となり、実父母は親権を失う。里親に比べ、特定の大人と安定した愛着関係を結びやすいとされるが、縁組後に児童相談所の支援が届きにくい課題もある。 国は昨年、児童福祉法を改正。家庭養育を増やすため、里親や養子縁組への支援を児童相談所