英語ではCapitol riot(議事堂暴動)と書かれることが多い2021年1月6日の米国会議事堂襲撃事件から1年になる。ちょうどいい機会でもあったので、ワシントンポストの有名記者が書いた本の邦訳「PERIL 危機」を読んだ。注も合わせると600ページを超える分厚い本だ。邦訳には少しばかり違和感もあるが(Crimson TideのHCはサバンじゃなくてセイバンでは)、米国で9月に出版された本をこれだけ短期で翻訳したことを考えれば十分なレベルだろう。 内容的にはいかにも政治部記者が書いたものらしく、政治家や周辺人物の具体的な動きや発言を並べている。話題になっているのは冒頭に出てくる米統合参謀本部議長と中国軍トップとのやり取りの部分(議事堂襲撃の直後に米軍が中国を攻撃することはないと弁明した)だが、本が対象としているのは2017年に起きたシャーロッツビルでの事件から、バイデン大統領がアフガン撤