立命館法学 1999年3号(265号) 140頁 英米からみた日本の朝鮮支配(1) - 戦間期領事報告を中心に - 梶 居 佳 広 目 次 はじめに 第一章 朝鮮と英米の関係-日本支配期を中心に 第二章 斎藤総督-「文化政治」-期(一九一九-三一年)の報告 (以上本号) 第三章 宇垣総督期(一九三一-三六年)の報告 第四章 南総督-「皇民化」政策-期(一九三六-四一年)の報告 第五章 太平洋戦争勃発後(一九四二-四五年)の報告 お わ り に は じ め に 周知のように、日本は欧米以外で近代植民地帝国を形成した唯一の国家であったが、それは欧米の事例を摂取した「模倣」の産物であった(1)。さりながら、一方で日本の植民地支配は欧米のそれとは「似て非なるもの」とのイメージ・評価が定着しているのもまた事実である。近年、欧米研究者の間で日本と欧米植民地の類似性を踏まえた研究