我ながら大仰なタイトルだが、 半分冗談、半分本気。 まあ、気軽に流し読みして欲しい。 我輩も読書の合間のストレッチ程度に書いている。 さて、岩波文庫が80周年とやらで 創刊時のラインナップを復刊していたのだが、 あんなもの文献学者的好事家以外に誰が買うと言うのだろう。 少なくとも我輩はまず買わない。 かつて「岩波文化人」という言葉があった事を、 今の若い人々はご存じないだろう。 物好きな読書家の中には過去の記憶として それを覚えていらっしゃるかもしれないが、 もはや遠い昨日の世界であろう。 左翼知識人にとって昭和の冷戦期は、 『世界』などが世論に影響を与える事が出来た輝ける時代であった。 およそ精神や思想の歴史を知ろうとすると、 どうしても書かれた事に印刷された物に頼らざるを得ない。 しかし、まこと逆説的であるが、 理論家が沈黙するのはその説が滅びたからではなく、 その説が現実に生き始めた