【パリ4日時事】中世から欧州各地を支配したハプスブルク家のスペインの王朝(1516〜1700年)断絶について、近親婚の繰り返しで発症する遺伝子疾患が原因だった可能性が高いとの説を同国の学者チームがこのほど、米オンライン科学誌「プロス・ワン」に発表した。 スペイン・ハプスブルク朝最後の王カルロス2世(1661〜1700年)は体が小さく病弱で内臓疾患や血尿に悩んだ。2度結婚したが性的に不能だったとされ、世継ぎがないまま死亡。仏ブルボン家にスペインの王座を渡す結果となる。 この王の16世代にわたる祖先や血縁者3000人の系図情報を基に、スペインのサンティアゴデコンポステラ大学の遺伝学者らが近親婚のリスク度を示す「近親交配係数」を計算したところ、係数は初代カルロス1世の父親の0.025から代を重ねるごとに上昇、カルロス2世では10倍の0.254に達した。 同王朝の結婚11例中9例は近親婚で、