「猫じゃ猫じゃ」という江戸時代にはやっていたという演芸場パフォーマンスをご存知でしょうか? 平べったい底の深いステージの中に猫がいます。 そこに、三味線を持ったおばさんたちが現れて、演奏しながらいろいろ歌うのですが、その中に「猫じゃ猫じゃ」という曲があります。 それまでのそのそ、多少不安げながらステージの上を歩いていた猫たちが、その音楽がかかるなり、一斉にぴょんぴょんと飛び跳ね始めます。 とても頻繁に、まるで踊るように跳ね上がるというのですね。 よくぞ気難しい猫に芸を仕込んだものだとお客さんはやんやの喝采です。 でもこれ、動物虐待の極致な芸でした。 実はこの猫たちを鉄板の上に載せておいて、下に置いてあるまきに火をつけると同時にこの曲を奏でていたのですね。 猫は熱くなる鉄板の上で鉄板の熱さを避けるために必死で飛び上がります。 そのうち、条件反射で、三味線でその曲を聴いただけで、熱くなるに違い