ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (8)

  • 「プレゼンテーションZen」はスゴ本

    読むだけでプレゼンが上達する。いや、「見るだけ」で上手くなる。 なぜなら、書そのものが、優れたプレゼンテーションのお手になっているから。 わたしはデザイナーではない。しかし、同じテーマについて、「まずいデザイン」と「うまいデザイン」が並んでいるなら、見分けることができる。デザインの原則――「コントラスト」「反復」「整列」「近接」を使って、凡庸なシートが、ダイナミックで統一感をもったものに変わっていく過程は、"見た"瞬間に理解できる。 世界プレゼンコンテストで第1位のジェフ・ブレンマン[URL]とか、「でかいプレゼン」で有名な高橋メソッド[URL]、マレーシア大学薬学部教授の講義スライドを読むというより、"見て"いるうちに、優れたプレゼンのキモに親しむことができる。もちろんビジュアルもテーマも全然ちがうが、どのような効果を狙っているか?そのためにどんなデザイン戦略でいるのか?が伝わってく

    「プレゼンテーションZen」はスゴ本
    hakkatabaco
    hakkatabaco 2009/10/23
    12ポイントの箇条書きとデータに埋め尽くされた、悪夢のようなPowerPointは、全てをPCで行おうとする過ちの結果なんだ。
  • サイエンス・コミュニケーションの種本「一粒の柿の種」

    息子の教科書を読んでて、ちょっと不安になるのが、「理科」の内容。 受験にも直結する「国語・算数」はみっちり詰まっているのだが、「せいかつ」――いわゆる「理科」が薄すぎやしないか?教科書の厚みだけではない。知識としての自然科学は教えられるものの、安全面への配慮からか、ほとんど実験・実習はしないようだ。 そんなバカ親の心配に乗じてか、「サイエンス倶楽部」[URL]なるものがある。「科学実験から広げる体験型総合教育」を謳っているが、要するに習い事だ。学校という現場からして理系離れが進んでいる証左なのか。 「一粒の柿の種」を読むと、ちょっと嬉しくなる。ポピュラーサイエンスが、一般社会に与えてきた影響を、具体例でもって検証している。予想通りといったものもあれば、まったく新しい知見も得られた。ともすると「文系」に偏りがちなわたしに、いい刺激をもらった。 たとえば、「遺伝子」や「DNA」などの科学用語が

    サイエンス・コミュニケーションの種本「一粒の柿の種」
  • 負け犬の皮をかぶった勝利宣言「おひとりさまの老後」

    上野千鶴子というファンタジー。 題名にだまされてはいけない。これは「千鶴子ヴィジョン」から見た老後のお花畑なんだ。しっかり年金をもらって、悠々自適のセカンドライフを謳歌できる、いわゆる逃げ切り世代へのエールなのだ。 お花畑では、男は役立たずなお荷物に過ぎないし、子や親族は資産を自由に使えなくする邪魔な存在となる。そんなものは放っておいて、「おひとりさま」になれという。どうせ老後は、夫に先立たれ/離婚するし、子どもはアテにならない。結局「ひとり」になるのなら、最初から「ひとり」を想定したライフスタイルがいいのだと。 そして、子どもにカネを遺すと自立しないから、アタシが使うのが正しい。「夫のカネはあたしのもの、あたしのカネはあたしのもの」という金銭感覚で後家楽を目指すのが、日の女の「上がり」なんだとけしかける。 さらに、子孫に囲まれて暮らす老後観なんてウソ。「いっしょに暮らそう」という子の

    負け犬の皮をかぶった勝利宣言「おひとりさまの老後」
    hakkatabaco
    hakkatabaco 2009/02/19
    上野千鶴子というファンタジー。  題名にだまされてはいけない。これは「千鶴子ヴィジョン」から見た老後のお花畑なんだ。しっかり年金をもらって、悠々自適のセカンドライフを謳歌できる、いわゆる逃げ切り世代へのエール本なのだ。  お花畑では、男は役立たずなお荷物に過ぎないし、子や親族は資産を自由に使えなくする邪魔な存在となる。そんなものは放っておいて、「おひとりさま」になれという。どうせ老後は、夫に先立たれ/離婚するし、子どもはアテにならない。結局「ひとり」になるのなら、最初から「ひとり」を想定したライフスタイルがいいのだと。  そして、子どもにカネを遺すと自立しないから、アタシが使うのが正しい。「夫のカネはあたしのもの、あたしのカネはあたしのもの」という金銭感覚で後家楽を目指すのが、日本の女の「上がり」なんだとけしかける。  さらに、子孫に囲まれて暮らす老後観なんてウソ。「いっしょに暮らそう」という子のささやきは悪魔のささやき。財産を独り占めする魂胆だったり、親を放置する罪悪感からくる「義理介護」だったりする。最初は「親孝行」を演じられても、長期間なんてムリ、そのうち深刻な葛藤が始まる。ひとりの生活が染み付いてるから、いまさらゴキブリのように身を寄せ合った雑魚寝ができるかってんだと切る啖呵、カコイイ。  ただし、家族「以外」での関係は培っておけと。用途に応じてパートナーの在庫ぐらいそろえておけと。さみしいといえる相手をちゃんと調達し、人間関係のセーフティネットを構築しておくのが、「おひとりさま」の心得だという。 ――などとチヅコ節を咆哮する。「データによると」という枕詞なのにソースがなかったり、極論を「知人が言うには」で代弁させたり、レトリックはなかなかのもの。こいつを真に受けて立腹する人がいるが、これはファンタジーなの。リアルとして読むのなら、裏返して読むべし。つまり、これは、彼女がそうありたいと願う空想であり、自己正当化のためのセルフエビデンスなんだ。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: このエロマンガがスゴい2008(成人向)

    年末を待たずにベスト3を発表するよ! というのも、「もうこれ以上のスゴいエロマンガは出てこないだろう」と見きわめたので。見込みが違いであれば、「それを推すならコレ読んでみろ」と教えて欲しい。よろこんで拝読奉る。 最近のエロマンガのうち、「これはスゴい」と自信もっていえるベスト3を挙げる。なお、評価は「いかにエロいか」というよりも、「いかにスゴいか」に重点をおいている。したがって順位と実用度は比例しない。むしろ使用頻度が高いのは選外となった「いつも君を感じてる」「YOUR DOG」だし。 ■ 第3位 少女マテリアル(鳴子ハナハル) 発売当初売り切れ続出、一般棚まで進出した曰くつきの成人コミック。 実用度◎のスゴエロ。つるんとした肌感がゆでたまごのようで美味也。ラブコメ仕立てのものが多く、明るく楽しくえっちするのが好きな方向け。カラミへの移行もスムーズで、いきなりストーリーパートを飛ばすことも

  • 東大が求める人材とは「東大入試 至高の国語 第二問」

    嘘かまことか、現国の入試問題から「東大が求める人材」があぶりだされている。 30年分の過去問から読み解かれた「東大入試の質」というやつは、非常に奇妙だが納得はできた。すなわち、東大現代文は、「死」を主題とした問題が、もう何十年も出続けているのだという。著者曰く、「死にとりつかれていると言っていいほどの頻出ぶりである」だそうな。東大は、「死」という簡単に答えの出せない、標準解のない問題を突きつけているのだ。 たとえば、病に冒された国木田独歩に手紙を書けという1982年の第二問。アタマを抱え込むことを請合う。独歩は死を覚悟しており、気弱な面と実際的な側面をまぜこぜにした手紙をよこしている(その手紙が出題文)。これを受け取ったと仮定して、返事をかけというのだ。しかも200字、どうすりゃいいの? あるいは、1985年の第二問。金子みすヾの詩を二編ならべて、「各自の感想を記せ」という。(゚Д゚)ハ

    東大が求める人材とは「東大入試 至高の国語 第二問」
  • インテリアとしての本と本棚「自宅の書棚」

    のある暮らしを提案する一冊。無性にの整理をしたくなることを請合う。 いや、「だらけで足の踏み場もない」とか、「これが倒れてきたら圧殺される」といった自嘲も聞こえる。このblogを覗いているなら、との戦いに明け暮れている方も多かろう(わたしの戦歴は「図書館を利用するようになるまでの20ステップ」にまとめた)。 しかし、書に出てくる、暮らし中で「を活かす」ライフスタイルを見せつけられると、自分の考えが誤っているのではないかと確信が持てなくなる。の山を自慢げに語るのは、奴隷の鎖自慢ではないかと冷や汗が出てくる。「おまえ、ただのコレクターじゃね? 読みもしないくせに」と言われている気がしてくる。 それぐらい「美しい」んだ。著名な作家や建築家たちのホーム・ライブラリーやリビングが紹介されており、どこもみっちりと収納され、ディスプレイされているにもかかわらず、不思議に「調和」というイメー

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  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊

    毎年この時期になると、「東大教師が新入生にオススメするベスト100」という企画で紹介してきたが、飽きた。 ほとんど変わり映えしないリストにも飽きたし、毎年「ベスト1はカラマーゾフ!」とハヤすのも飽きた。カラ兄が最高であることはさんざん宣伝してきたから、皆さんご承知だろう(異論・反論大歓迎、これを超えるものがあるならね)。 だから、今回はスコープを広げてみる。 ■ この企画の趣旨 東京大学に限らず、新入生を迎えるにあたって、センセイたちは思うところがある(はずだ)。ゼミにくる前に、せめてこれぐらいは読んでおいてもらいたいと望んだり、若かりしころハマったで自分語りをしてみたり。そうした願望を吸い上げているところもいくつか見つけた。以下のとおり。 リスト1 「北海道大学教員による新入生への推薦図書」 リスト2 「京都大学新入生に勧める50冊の」 リスト3 「広島大学新入生に薦める101冊」

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 学生必読「理科系の作文技術」

    文系理系は無関係、学生は全員読め。もう一度いう、学生は必ず読め。 「上から目線」だの「えらそう」だの批判上等(ご指摘の通りだから)。その上で重ねて言う、必ず読め。かくいうわたしは、そう言ってくれる先達がいなかった。ゼミ発表やビジネス文書で「揉まれて」身に着けた我流の技術なので、心もとないことおびただしい。 今では論文・レポートの作成技術に関するは沢山あるが、コンパクトな新書にここまで丁寧+徹底して「学生のレポート」に特化したものはない。「東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊」の第8位で、この手のランキングに必ず書が入っているところに、センセ方の苦労がしのばれる。 もちろん、ライティングの手ほどきを受けている方なら、「あたりまえ」のことばかり。しかし、その「あたりまえ」がないことでどれだけコミュニケーション・ロスが発生しているかゾッとさせられる。 たとえば、「事実と

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 学生必読「理科系の作文技術」
    hakkatabaco
    hakkatabaco 2008/09/29
    学生に戻りたいねえ。
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