エルサレムで生まれ、4歳で周囲からピアノの才能を認められたアバスは、若くしてイスラエルの代表的なピアニストで名教師でもあるプニーナ・ザルツマン(1922-2006, →Wikipedia)の門下生となります。その後もめきめきと腕を上げた彼は、アルトゥーロ・ルービンシュタインの前で演奏する機会に恵まれます。アバスの演奏に感激した老巨匠は、小さな名手にロレックスをプレゼントしたといいます。 アバスのピアニストとしてのハイライトは、11歳のときに訪れます。1983年12月にカーネギー・ホールで行われたルービンシュタインのトリビュート・コンサートで、アバスはバーンスタインと共に舞台に立ち、ショパンのワルツ、ノクターン、マズルカを披露しました。このコンサートのレビュー記事では、当時の彼の演奏を以下のように紹介しています。 "...The playing was just as it should h