日本の人口が減少し始めたことに、漠然とした不安を覚える人が多い。「日本は没落していく」「競争力も衰え、2等国に逆戻りする」という悲観論さえ聞かれる。 お隣の中国が躍進著しいだけに、過去十数年間も経済の低迷が続いた自国の行く末が、ひとしお気になるのだろう。 しかし、国民の頭数だけで国力が決まるのなら、サミット(主要国首脳会議)は、中国、インド、米国、インドネシア、ブラジル、パキスタン、ロシア、バングラデシュの8か国の首脳が集まって開いているはずだ。 現代の世界では、人口よりも技術力や教育水準の高さ、文化や社会の魅力などの方が重要である。 国の競争力に関しては、スイスにある「世界経済フォーラム」(WEF)と「国際経営開発研究所」(IMD)が毎年それぞれ、各国の経済指標などを基にランキングを発表している。2005年の日本の順位は、WEFで12位、IMDでは21位だった。90年前後にはトップだった