シベリウス作曲の交響曲(シベリウスは交響詩としているが)「フィンランディア」を地名を示す接尾辞が二重についている奇妙な固有名詞である、とするのはどうなんだろうと思う。 確かに、-land も -ia も固有名詞と結合し、「何々の土地」を意味する地名接尾辞ではある。 「フィン人の土地」という意味であれば、Finland もしくは Finia/Finnia で必要充分であり、Finlandia とするのは、「いにしえの昔の武士のさむらいが馬から落ちて落馬して」に似た不要な重複になる。 しかし -ia が必ずしも地名接尾辞だけかというとそういうこともないのであって、抽象化して名詞化する際にも用いられることがあり(historia/historiae などがそう)、私としてはむしろこちらのニュアンスに近い用法ではないかと思う。 つまりフィンランディアとは、フィンランドという具体的な地名固有名詞を意