高校1年のとき、友人の勧めで京都アニメーションの作品「けいおん!」を初めて見てから丸10年。青春時代を京アニ作品とともに歩んだ一人として、京アニのスタジオが炎と煙に包まれる様子に言葉で言い尽くせない感情があふれ、涙をこらえきれなかった。 日本のアニメをサブ(非主流)カルチャーでなく、ポップ(大衆)カルチャーとして世界に認識させたものの一つが京アニだ。日常の些細(ささい)な出来事に意味を持たせる演出に高い作画力、美しい背景…。京アニの魅力は年齢、性別、人種を問わず世界へと広がった。 大学時代、仏留学中にベルギーで開かれた「JAPAN EXPO」の会場を訪れた際、1人の少女を見てうれしくなった。片目に眼帯のゴスロリ風ファッション。京アニ作品「中二病でも恋がしたい!」のヒロイン、小鳥遊(たかなし)六花(りっか)のコスプレをしていたからだ。事件後、外国人ファンが現場を訪れる様子に、世界への影響力を