「はやぶさ」を支えたプロジェクトチームのメンバー、総勢80人。奇跡の生還の陰には、チーム崩壊の危機もあったという。 60億キロ、7年におよぶ宇宙の旅を終え、地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。小惑星の砂が入っているかもしれないカプセルを地球に届けた後、大気圏で燃え尽きる姿は多くの感動を呼んだ。エンジントラブル、通信途絶など、数々の困難を乗り越えた「はやぶさ」と、その旅路を支え続けた技術者たち。しかし、華やかな成果の陰で、プロジェクトチームに崩壊の危機があったことは知られていない。 プロジェクトチームに 次々と襲い掛かる試練 2005年9月。「はやぶさ」が、地球からはるか3億キロ離れた小惑星イトカワの姿をとらえたのは、地球を旅立って2年が過ぎた時だった。管制室は、歓喜に沸いた。しかしこの喜びも、プロジェクトリーダーの川口淳一郎さんにとってはまだ始まりにすぎなかった。彼が掲げていたのは「小
