KEKでは加速器を使って色々な素粒子を生み出して実験をしています。その一つがニュートリノを作り出し、岐阜県神岡にあるニュートリノ検出器「スーパーカミオカンデ」に発射しているK2K実験です。これまでにもお話しした様にニュートリノは物質とほとんど反応しないためとても検出しにくい素粒子です。スーパーカミオカンデでの検出数を増やすには、KEKから送り出すニュートリノを出来るだけ神岡への方向をそろえ多量に生成しビームとして送り出すことが必要です。このため実験装置には様々な技術的工夫がされています。今日は第3回KEK技術賞を受賞した「ニュートリノビームライン用電磁ホーンシステム」を取り上げその一端を紹介しましょう。 ニュートリノ生成の道筋 これまでにも紹介してきましたがKEKで作られるニュートリノは120億電子ボルト陽子加速器から発生する陽子ビームを標的に衝突させ、最初にパイ中間子を発生させます。この