インターネット上で、漫画やアニメを違法に配信する「海賊版サイト」対策を話し合ってきた政府の有識者検討会議が、意見を取りまとめられないまま、無期限延期になった。 サイトを閲覧する者に対し、業者(プロバイダー)が接続を遮断できる法制度を設けるか否かが最大の論点だった。だが4カ月にわたって議論しても、見解の溝は埋まらなかった。 はっきりしたのは、現時点で社会的合意を得るのは不可能だということだ。政府は、来年の通常国会をめざしていた法制化作業を白紙に戻すべきだ。 プロバイダーが接続を遮断するには、問題のサイトにとどまらず、利用者のアクセス先をすべて確認する必要がある。憲法が保障する「通信の秘密」を侵す恐れが強いというのが、反対派が最も懸念した点だ。 日本では、重大な人権侵害行為である児童ポルノに限り、11年から遮断を認めている。他分野には広げないという確認がされていたが、政府は今春、唐突に海賊版に